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ご挨拶

佐藤昌宏

デジタルハリウッド大学大学院

教授 佐藤昌宏

私は2009年頃から、デジタルハリウッド大学大学院でEdTech(エドテック)の研究や実践に取り組んできました。
「EdTech」とは、デジタルテクノロジーを活用した教育のイノベーションです。日本においては、数年前までほとんどの人に理解してもらえず、知っている人がいたとしてもバズワード(一時的な流行り言葉)だと思われていました。
それが、今やEdTechを取り巻く環境は大きく変わりました。デジタルテクノロジーの目覚ましい進化を背景に、今までの「教育」を超えた「学び」が手に入れられる時代となり、既存の教育や学び方を変えるサービスが日本でも多く登場し、私たちの学び方に変化をもたらすイノベーションが起きています。

私が実務家として本研究室を主宰するのには、大きく2つの理由があります。
ひとつは、EdTechが持つ未来の可能性や多様な学びの選択肢を社会に発信するためです。EdTechの世界を知ることで「今の学びってこんなに効率的で楽しく取り組めるんだ!」と、これまでの常識を見直す機会に触れてもらいたいという想いがあります。本研究室の公式サイト立ち上げもこれらの情報発信を目的として設立しました。

もうひとつは、教育イノベーターの育成のためです。研究室およびエフェクティブラーニングラボでは、EdTechの基本知識のレクチャーはしますが、原則は実践の場です。私は何かを教えるというより、EdTechに関する自分自身の実践を大きく3つのアプローチで見せます。ひとつは、国や自治体に政策提言を通して教育改革の道筋を示すということです(トップダウン)。ふたつめは、「EdTech JAPAN Pitch Festival」や「Edvation x Summit」といった教育カンファレンス・イベントの開催などの現場実践です(ボトムアップ)。みっつめは、教育を変革しようとする教育イノベーターの育成です(インキュベーション)。学生はこれらの成功や失敗など、その背中を見て「自分ならテクノロジーを使って教育をどう変えられるか」をそれぞれに考えます。

そして、研究室やエフェクティブラーニングラボで、まず伝えたいのが“社会を変えること”へのワクワク感です。これはイノベーションに取り組む上では、大きなアドバンテージです。自分自身がテクノロジーのすごさを実感し、ワクワクしている人でなければ、周りを巻き込み、社会を変革していくことはできません。研究員やラボ生には「テクノロジーを使ってこんなことをしたい!」という“想い”を大事にしてもらっています。想いから生まれるエネルギー、そして「テクノロジーを使って何ができるか」を発想できる力こそが何より大切なのです。

教育に関する新しいビジネスに取り組んでいる方や、それをめざしている人たちも大歓迎です。ワクワクしながら、共に教育の世界にイノベーションを起こしていきましょう。